規則的に繰り返される呼吸。

小さく聞こえる寝息。

ベッドに横たわるアンタの姿。

 

俺はただ、そんなアンタを見つめるだけ。

髪を撫でることも、できない。

 

ただ、眠りにつくアンタを見つめるだけで…

 

 

 

 

 

1cmの微熱

 

 

 

 

 

規則的な寝息だけが響く、部屋という空間。

静寂を壊すのは、アンタのその寝息だけ。

 

俺はただ、アンタの眠るベッドの脇に黙って座るだけ。

髪を撫でようとする手も、寸前で止めてしまう。

 

 

 

女々しい姿だよ、俺。

 

 

 

今日もまた、アンタに気づかれないように、黙って部屋を出ようとした。

 

…けど、俺の服の裾を捕まれる感触がして、立ち止まる。

 

その元を恐る恐る見ると、眠ったままのアンタが居た。多分、無意識に俺の服を掴んだのだろう。

 

俺はアンタが目を覚まさないよう、そっと俺の服の裾を掴む手を離させた。

 

触れた指先が、温かかった。

 

ただアンタを見、少しだけ微笑んだ。

 

 

 

俺は無意識に

 

アンタの頬に手を伸ばしていた。

 

初めて、アンタの頬に触れた

 

温かい感触。

 

惹かれるように

 

アンタの唇に

 

自分の唇を寄せていた。

 

たった1cmの距離。

 

 

 

ただ

 

1cmの距離で

 

アンタを見つめていた。

 

 

 

…お休みなさい。

 

 

 

俺はそう呟くと

 

アンタの唇にそっとキスを落とした。

 

 

 

 

 


あとがき

一応オル→アズで;

アズ→オルになるはずだったのに;

これは亨たんへプレゼントです…

駄文で良ければ貰ってやって下さい;

お目汚し失礼しました;

2004.10.06 柊 藍司

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