もうテストが近いってのに俺の恋人さんは俺に抱きついて離れてくれない。

離れろって言えば頬を膨れさせて拗ねるし…

メンバーからは『１００％お前が悪い』って言われるし…

あ〜…もう、だったら俺にテストで悪い点取れって言うのかよ！！

折角休憩時間さえも削って人が勉強してるっつーのに、皆俺を悪者扱い…

誰か俺に自由な時間をくれ！！

今までの勉強法に飽きたら…

『シーゲ〜…勉強ばっかしてないでたまには俺に構ってよ〜…』

そうやって頬を膨らませながら言ってくるのは俺の恋人・草野博紀君でして…

『もうテスト近いからテストが終わるまで我慢しろって』

『…終わったら終わったでずっと寝てるくせに』

…ハイ、図星で何も言えないです。

『シゲは俺のコト好きじゃないのかよ〜…』

上目遣いで俺のこと見つめてきて…うっ、可愛い…

…ってダメダメ、ンなこと考えてたら勉強に集中出来ないっつの！！

『終わったらちゃんと構ってやるから！だから今は勘弁してくれって！！』

無理矢理ヒロを引っ剥がしてノートに目を向ける。

ぁ〜…楽屋の中にいるその他諸々の方の視線が痛い…

ヒロ…マジでごめん。

そしたら、その愛しの恋人が潤んだ瞳で見つめてくるワケで…

『シゲは…俺なんかよりテストの方が大事なんだ…』

何その哀願するような瞳はーっ！！成亮君歯止めが利かなくなっちゃうじゃないですか！！

『…そんなワケないじゃん』

……………………………！！

やっちゃったよ、俺！！

今は学問に集中するって誓ったはずなのに…！！

ヒロのことになると甘いんだよなぁ…俺。少しは反省しないと。

『マジ！？じゃあ構ってくれんだよな！！』

瞳をパァっと輝かせて見つめるヒロがまた可愛くて…

見とれてたら気づいた頃にはヒロが俺と机の間に膝をついて座っていた。

…何この１００万＄の笑顔は。

可愛い。可愛いよ、うん。

『俺もシゲと一緒に勉強するっ！』

ふ〜ん…俺と勉強、ね。俺と…

…………………………………………ってオイ！！何ですかソレ！？

ヒロと勉強〜なんて言ったらちっとも進む気配がないんですけど！

いや、俺が見とれて…とかじゃなくて、ヒロが理解できるかどうかっつー問題もありまして…

…楽屋に居るメンバーの笑顔が怖い…

あ〜…もう、ヤケだヤケ！やってやろうじゃん！！

『…Emily goes home at 5:00.の訳は？？』

『…エミリーは５時に家に帰ります…？』

『すっげ〜！！正解！！』

…この英文訳で褒められてもあまり嬉しくないような…

『やっぱシゲって頭良いなぁ〜』

ヒロが俺のこと感心の目で見てくる…

まぁ…ヒロが楽しんでるならそれで良いか…。

『…………I have been looking at only you.は？』

『…私はずっと貴方だけを見ています…？』

『…シゲ大好き』

…………………………は？

『シゲぇぇぇ〜っ！！』

言うなりヒロが俺の身体にダイブ…

勢いに耐えきれるワケもなく…

バタン。

痛い！痛いって！後頭部強打してるって！

つーか重い！腹の上にヒロ乗っかってるし！ちょっとヒロ重いよ！

『ヒロ…重い…』

『重…っ！？酷っ！！』

『重くないけど重いって！！』

………………………………………だぁ〜っ！！

何意味解んねぇこと言ってんだよ俺ー！！

ごめんなさいごめんなさいっ！心からごめんなさいっ！！

『………………………I love only you all the time.の訳は…？』

『へ…？』

『だ〜か〜ら〜！！I love only you all the time.の訳は！？』

なんかムキになってるヒロ…可愛い…

『私は貴方だけをずっと愛しています…』

『それシゲの本心！？』

…君が無理矢理言わせてんじゃないですか。

でもまぁ…いっか。

『…I continue loving you.』

『…え？』

『訳してみなよ？』

基本的に勉強が苦手なヒロは頭を抱えて悩んでる。

うわ…可愛い…

『何その暗号…俺英語全くわかんない…』

唇尖らせちゃって…可愛いんだよ畜生っ！！

『だ〜っ！もう、シゲ訳して！宇宙語喋んなよ！！』

………………宇宙語…？

いや、思いっきり英語ですが？

『…………………………私はあなたを愛し続けます…』

『ぇ…』

顔真っ赤にして…ヒロ可愛い…。

って、さっきからソレばっかじゃん、俺！！

…なんて、思わずツッコミ入れちゃいましたけど。

『シゲ…俺にそんな恥ずかしいこと言わせようとしたワケ？』

『恥ずかしいことって…ヒロだって俺に言わせてんじゃん！！』

『それとこれとは別！！』

…別じゃねぇ〜…全く同じだし！！

…って、言わない言わない…。

『ヒロに言って欲しかった』

『…無理』

『いつも好き好き言ってくるくせに』

『それはシゲが構ってくれないからだもん』

……もんって…本当に君高校３年生ですか。

『シゲいつも勉強してるか寝てるかじゃん』

…仰有るとおりです。

『今度からちゃんと構ってくれるなら言ってあげてもい〜よ？』

…言ってあげても良い…？

ハァ？

いや、某芸人の真似とかじゃなくて。

いや、マジで。

なんか上から見下ろしてる言い方じゃない？

え、俺の気のせい？

いやいや、そんなことないでしょ。

『構ってくれんの？くれないの？』

………首傾けちゃって…可愛い…っ。

…畜生ーっ！！

『あー、もう…これからは寝ないって！』

いや、余裕で寝るけど。

『…絶対寝るじゃん』

痛っ！図星突かれて痛い！！

ヒロは千里眼かって！

『寝ないって！』　

…コレで良いのか、俺…。

『寝たら罰金５０億ね』

『払えるワケねぇしっ！！』

なんで５０億なのかも解んないけど…。

得意のノリツッコミもヒロの前では調子狂いますよ、もう。

なんか一方的に俺が不利じゃん！

…とか思ってみたり。

『じゃあシゲは俺より先に寝ないこと〜…』

『なんだよそれ！』

『守れなかったら５０億…』

またかよ。

まぁヒロのことだから３歩歩けば忘れるか。うん。

ならいい。多分都合いいことは覚える質かもしれないけど。

今日はとりあえず…

もう勉強は止めにして、ヒロとイチャつきますか。

おわれ。

…英文適当ですｏｒｚ