JEALOUS1

 

 

 

何時もと同じ、帰り道。
何時もと同じ、この5人で。

眩しいくらいの、微笑み。
誰にでも向けられる、笑顔。

何よりも綺麗。

けれど、そんな容易に他人へと振り撒かないで。

キミは俺だけのモノなのに。
俺だけのモノと思いたいのに。

それは単なる俺の思い込みで
まだ前と変わらない、何も変わらない関係で
俺が脳内で造り上げたまでであって
キミは俺のモノなんかじゃない。
俺が束縛する権利もない。

なんて臆病な俺。
なんて狡い俺。



何気ない言葉。それと共に振り撒く笑顔。何時もと同じ。
何時もと同じ筈なのに。

俺にも振り撒く言葉。
そして、あの笑顔も忘れることなく。

けれど、何故か返せない俺。

『ツッチー…?』

それに対して何を思ったのか、キミは俺の顔を覗き込んでくる。

首を傾げ、大きな瞳で見つめてくる。


オカシクナリソウダ…


『どしたの…?』

髪を撫でられる感触。
優しく、子供をあやすの様に。

『タケ…っ』

俺は思わずキミの腕を掴んだ。
二度と離さないかの様に、強く。

『ちょっ…ツッチー…っ?』

腕の痛みに眉を顰めながらも、キミは俺を見上げる。このまま謝って、この手を離せば良かったのだけど。

俺はそのままキミの腕を引き、教室の外へと連れ出した。
周りの奴らも少し驚いていた様が、俺はそれさえも気付かなかった。



『っ…何…?』

俺はキミを、今は使われていない、机の転がった教室に連れ込んだ。
乱暴に机に座らせ、キミの表情を見つめる。

整った顔
大きな瞳
桜色の唇

微かに、震えている。

『ね、ツッ…』

『煩ぇよ』

キミが言葉を終えない内に、俺はキミの言葉を遮る。

怯える様な顔。
壊したい程、愛おしい。

瞳に涙を溜めてホラ、今にも零れてしまいそう。

下唇を噛んで
堪えようとしている姿もまた愛おしい。

いっそのこと、噛み切ってしまえば良いのにな。
血はきちんと俺が拭ってやるからさ。

『…タケ』

『な…に…?』

キミの身体がビクッと跳ねる。
俺が恐い?
何時もと違う、俺が恐い?

軽く頬を撫でてやると、身体が震えているのがよく解る。
そんなキミの姿に、俺は思わず笑みを漏らしてしまう。

『可愛いな…タケちゃんは…』

嘲笑する様に、キミの目の前で言葉を零す。
キミは俯いたまま、俺の顔を見ようとはしない。今、俺がどんな顔をしているか解る?

異常な程の嫉妬に歪んでいる?
愛おしいキミを目の前に歪んでいる?
何時もと同じ表情?

まぁ、俺にも解らないけどね。


キミの顎を扇子の先の方でくいっと上げると、唇がまだ震えているのが解る。

『恐い?』

そう聞くと、キミは首を横に振った。

それでも、キミの涙は零れない。
隠す必要もないのに。

キミは俺のモノ。

だから−…



キミがあまりに愛おしくて

俺はキミの唇を塞いだ。

口内を荒らし、俺の舌がキミの舌を絡め、捕らえる。

呼吸さえも貪るかの様に、深く、荒く。

暫くキミを味わった後に唇を離すと、互いの唇の間には銀糸が伝っていた。赤く染まった頬が、また俺を引きつける。
なんて愛おしいんだろう。

『なん…で…?』

唇を手の甲で拭いながら、キミは潤んだ目で見上げてくる。



狂おしい程に
愛おしい。



『……の…モンだから…っ』

キミをその場に押し倒して

無理矢理腕を拘束して



俺は−…



『ゃっ…ツッ…チ…!ねが…っ!!』

痛みと快楽に溺れるキミを見て

今度こそ本当に
オカシクナリソウダ…


乱れて、ぐちゃぐちゃになったキミも
愛おしい。


こうやって、身体でだけでも俺に繋ぎ止めて

『はぁ…ツッチ…も…やめ…』

涙を零して
そう言葉では拒んで
身体は俺を求めて

身体が軋むくらい
腰を揺らして
背中に痛いくらい爪を立てて


あぁ、沢山傷付けてやりたい…


『もう…お前は…っ』

俺だけのモンだ…

容赦なく俺は、キミの奥を突き上げる。
単なる快楽の為なんかじゃない。
キミを繋ぎ止めておきたいから。

『ぁっ…あ…ツッ…チぃ…』

[PR]動画