突き上げられる、俺の奥。

 

熱い体内を、掻き回される。

 

卑猥な水音を立てながら、俺はアンタの上で踊る。

奥を貫かれる度に、官能的な声を上げてしまう。

 

『あぁっ…もう…っ』

 

身体が震える。

 

抑えきれない程の声が、口許から漏れてしまう。

 

あぁ、もうイきそう…

 

 

 

『っ…ひぁぁ…っ!』

 

 

 

一番高い声を漏らし、絶頂を迎え、一気に力が抜けたようにアンタに抱き縋る。

 

引き抜かれる感触。

 

余韻からか、また身体が震える。

 

幾度となく続く、アンタとの夜。

 

 

 

その日々が、少しずつ変わろうとしていた。

 

 

 

 

 

 形 の 無 い 

 

 

 

 

 

アンタと初めて寝たのは、数ヶ月前。

アンタの部屋で、アンタが誘ってきたから。

俺だって嫌じゃなかったから、行為に溺れた。

 

 

 

初めての感触

初めての感覚

 

 

 

避妊なんか、しなかった。

 

だけど避妊をしなかったのはその日だけで、次からはちゃんと避妊をするようにしていた。

 

数ヶ月たった今、異変に気づいた。

 

月に必ず一度来るモノも、暫く来ていいが、特に気にしてはいなかった。

 

まさか…とは思ったけど。

 

けど、今更になって、確信に変わった。

 

具合が悪いわけではないのだけど、吐き気が急に俺を襲った。

 

すぐに俺は、洗面所まで向かった。

 

…まさか、ね…

 

たった一回だけで…

 

信じられない現実に俺は、目を覚まそうと、頬を数回叩いた。

 

…現実…

 

 

 

俺は確信へと変えようと、検査機を手に取った。

 

初めてのことに、手が震えていた。

 

 

 

説明文に従いながら、恐る恐る検査を始める。

 

 

 

…結果は勿論、陽性。

 

 

 

ただ呆然とする俺の中に回る二つの文字。

駆け巡る衝撃。

 

俺の中に、アンタの子が宿っている…

 

俺はゆっくりと、自らの腹を撫でた。

まだ膨れていない自分の腹の中に、他の何かが住み着いているだなんて、信じられなかった。

 

 

 

…俺の中に、アンタの子が…

 

 

 

 

 

産みたい…アンタの子を。

けど、アンタはきっと反対するだろうから、俺は自分の胸の中にだけ、閉じこめておいた。

 

アンタに言うべきなのだろうけど…。

 

 

 

 

 

『…オルガ…?』

 

次の日、俺がぼうっとしていると、アンタが顔を覗いてきた。

 

『どうしました…?』

 

『いや、何でもねぇよ…』

 

俺はアンタに小さく微笑む。

けど、アンタは眉根を寄せ、少し悩んでいるようにも見えた。

 

『何でもねぇって…大丈夫だからさ…?』

 

俺はアンタを落ち着かせようと、いつものように抱きしめた。

 

『そうですか』と言いながら、アンタは俺を抱き返した。

 

 

 

今ここで、『妊娠した』だなんて言ったら、アンタはどんな顔をする?

 

『産んでくれ』と言ってくれる?それとも『産むな』と反対する?

 

俺はとうとう、重い口を開けず、今日もアンタとの行為に溺れた。

 

 

 

 

 

いっそのこと、全て掻き出してしまえばいい。

もっと突き上げて、俺の中に住み着いたアンタの子さえも、掻き出してしまえばいい…。

 

もっともっと突き上げて、この子も俺も、壊してよ…。

 

 

 

 

 

…もう全て、終わらせてしまおう。

 

俺は決意をした。

 

この手で…この子を殺してしまおう、と。

 

 

 

自らの腹を何度も殴った。

 

 

 

それでもこの子は簡単には死んでくれなかった。

 

 

 

俺は仕方なく、アノ技師達に頼んだ。

この子を殺してくれ、と。

 

 

 

薬を飲まされ、俺のナカを収縮され、専門的な器具を中に挿れ、この子諸共掻き出された。

 

 

 

空っぽになった俺の中。

 

 

 

このまま平然としていれば、アンタにはバレることはないだろう。

 

数日は安静にして、部屋で眠っていた。

 

 

 

 

 

荒々しく開く扉の音。

 

元に目を向けてみると

 

アンタが立っていた。

 

俺の側に寄ってきたかと思うと

 

アンタは声を張り上げて、俺に怒鳴りつける。

 

 

 

『何をしているんですか!?』

 

 

 

瞬間、左頬に衝撃がきた。

 

痛い、と思ったのは、数秒経ってからだった。

 

『…妊娠していたんですってね…?』

 

いつもの冷静話し方で、俺に問う。

 

『…彼奴等に聞きましたよ…それに中絶しただなんて…』

 

…きっと、さっきの技師が、アンタに教えたんだ…

 

『…だったら…産めばよかったのかよ…?』

 

俺は掠れてしまいそうな声で、アンタに問い返す。

俺はアンタの迷惑になると思ったから…変に心配させたくなかったから…

 

『…産んで欲しかったですよ…』

 

彼はさっき叩いた俺の頬を撫で、小さく言う。

アンタの、悲哀に満ちた表情。

 

『俺は…アンタに迷惑かかると思ったから…っ』

 

俺は俯いたまま、アンタに返した。

 

『迷惑なんかじゃないですよ…それに、君の身体の負担になる…中絶なんて、して欲しくなかった…』

 

そういって、俺に言う。

 

『もしも次にこんなことがあれば…せめて僕にも言って欲しい…』

 

そう言って、またいつものようにアンタは俺をきつく抱きしめた。

 

 

 

 

 

俺はアンタの子を殺した。

 

けど、ソレは忘れずに、心の内に置いておこうと思う。

 

この形が何時か、本当の形になりますように…

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

…オル女体化…(自爆)

しかも落ちてないよー;;

凪ちゃんに色々調べてもらったりしてましたv

凪ちゃんサンキュー(笑)

しかもアズヘタレじゃん;

内容ベタベタ;;

お目汚しでした;;

2004.10.07 柊 藍司
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