家に居る間は彼には会えない。

彼は何か、僕の家族に会うことを拒む。

僕には、それが未だに何故なのかは解らない。

 

 

 

家に戻ると、僕は殆ど部屋からは出ない。

勿論、扉は固い鍵で閉ざされている。

カード式の、鍵。

 

固く閉ざされている筈なのに

嫌な、音がした。

鍵が外される音。

 

嫌な予感が、走る。

 

 

 

 

 

OMANCE

 

 

 

 

 

ドアの開く音。

床を蹴るような、音。

 

『兄…上…?』

 

扉の向こうから現れたのは、紛れも無く、実兄の姿だった。

 

合鍵などない筈なのに、兄の手で軽々と開けられてしまった。

 

『…何故…ですか…?』

 

『私に開けられないとでも思ったか?』

 

繰り返し、兄は笑う。

 

僕は無防備な姿のまま、すぐに毛布で身体を隠した。

 

『夜中に…何の用ですか?兄上…』

 

『明日にはもうアメリカへ戻るのだろう?』

 

そう言って、僕の上に覆いかぶさるように身を沈めてきた。

 

『何のつもりです…?』

 

『お前が戻って来た時に匂いがした…』

 

そう言って、兄は僕を軽く睨みつける。

 

『匂い…?』

 

僕は首を傾げ、兄を見上げる。

 

『お前のではない、他の香水の匂いがな…』

 

『香水…?』

 

…まさか…

 

『お前には妙な噂があるそうだな?愛人が居るだの何だのと言う…』

 

『それは…!!』

 

『噂によると、あの赤い彗星だと聞いたが…』

 

『兄上はそんな噂を信じるのですか!?』

 

すると兄は、クスっと笑いを零す。

 

『ドズルも言っていたよ…あれは間違いなく奴の香水の匂いだと…』

 

『…っ…!!』

 

『ドズルの直々の部下だからな…間違いないだろう…』

 

そう言って、兄は強引に僕の腕をベッドに結び付けた。

 

『まるで欲情した猫のようだな?』

 

『兄上…っ!』

 

兄は乱暴に僕の服を剥ぎ取り、髪を掴んで引き寄せる。

 

『ぁ…っ!』

 

首筋に痛みが走る。

くっきりと、首筋に兄の歯型がつく。

 

『身体中についているのは奴の痕か?』

 

胸板に、兄の掌が這う。

 

彼以外に、身体を触れられている。

心地の良いモノでは、ない。

寧ろ、気持ちが悪い。

 

『っ…!』

 

 

身体に付けられた彼の痕の上に、噛み付いてくる。

兄はその間に、僕の中心を強く握った。

 

『や…っ!』

 

涙を流し、必死に振り解こうとしても、兄は離してくれることはない。

 

更に胸の突起を摘み、指で弄りながら、クスクスと笑う。

 

『ゃ…離し…』

 

『お前に決定権などない』

 

僕の唇に自らの唇を押し付け、口内を舌で荒らしていく。

どうすることも出来ない二人分の唾液が、口の端から零れていく。

 

『奴にどんな姿を見せたんだ?』

 

舌先を噛み、呼吸さえも貪るように深く口付けてくる。

 

『ふ…ぁっ…』

 

『こんなヤラシイ姿を奴にも見せたのか?』

 

『兄上…っ』

 

自由を乞うように、涙ぐむ目で兄を見上げると、兄はベッドに繋がれた僕をすぐに解放してくれた。

 

『兄…上…』

 

涙でぐしゃぐしゃになった顔なんて、見られたくもない。

両腕で顔を隠し、ただ泣き続けることしか出来なかった。

 

『お前は私だけのモノだ…』

 

兄は僕を、優しく、そして痛いくらいにきつく抱き締めた。

 

 

 

 

 

僕はどうしたら良いのだろう…

兄に自由を奪われた僕は、どうすれば…

 

僕は兄のモノなんかじゃないのに…

 

ねぇ…教えてよ…僕はどうすれば良い…?

 

シャア…僕を助けて…

 

 

 

 

 


あとがき

 

うーわー…書いちゃったよ、ガルマ受け。

兄上強引に犯しt(ry

今度はシャアガル書きたいよ(爆

中途半端な終わりですみません;;

 

2004.01.13 柊 藍司

 

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